「カワラ」について

今回は冷凍マグロの加工形態の一つ「カワラ」について説明します。

マグロはその皮ぎし:表層部に脂が乗ります。
その表層部分を丸く外したものが「カワラ」です。写真をご覧ください。
カワラの厚みは5cm位。このような加工をする事により、脂の乗ったマグロの「脂=トロ」の部分のみ単体で販売出来ます。
(生の状態では、同じ様に包丁でまっすぐ外します)

脂が乗るとはどういうことでしょうか?
人間の皮下脂肪と同じで、養分を多く取ることにより脂肪を蓄えた状態という事です。
厳密には、
冷たい海(南北高緯度帯)に生息するマグロと
暖かい海(中~低緯度帯)に生息するマグロとでは
体に蓄えた脂の質(+身質全体)に違いが有ると思います。

冷たい海で漁獲された脂バチは
身が引き締まっています。
魚体が100kgを超えるような大型は少ないです。

脂の線が太く網目が細かい。
網目のような脂肪の線が入るのですがその一本一本の線が太いのです。
(牛肉の霜降りを想像されると近いと思います)

暖かい海で漁獲されたバチの中にも良く脂の乗ったものが混じります。
大陸棚や中部太平洋など好漁場では餌が豊富で生育も進みやすく100kgを超す大型魚も漁獲されます。
冷水で漁獲されたマグロに比べると、脂の目は細目です。

60~70kg位以上の魚体ですと、皮身の部分も大きいのでカワラに出来ます。
それ以下の大きさですと、丸魚のままやフシ、コロの状態まででの流通となります。

ただメバチマグロの脂にはかなりの個体差があります。

天然物ですのでなかなか標準化:製品化が難しい商品です。

弊社では、まず丸魚の状態で
①縮の上脂
②縮脂
③半縮~脂
三段階に分けて管理しています。
品質ごとに分けた「カワラ」にしています。
そうすることで、「この箱はすごく脂が良い」
「今度の箱はほとんど脂がない」
完璧に同じには出来ませんが、ある程度同じレベルの脂の乗りと鮮度のカワラをお客様に提供することが出来ます。
もちろん加工していく中で、どうしてもでぶろくがありますので、薄い脂は一段階下に落とします。

このようにメバチマグロの脂物はカワラ加工する事によってトロの部分のみ販売する事が出来ます。
100kgのマグロから、約25%のトロの部分が取れます。
(マグロの可食部分は約半分。そのまた半分になります)

お客様の好みにあった質のカワラ=トロからお好みの形態(サク状)に切って頂く。
電動のこぎりをお持ちの卸売業者さんや、解凍して包丁でサクに切る末端のお店まで。
様々な自由度がある「トロ」アイテムです。

弊社では、お好みの形にカットする事も出来ますので、ぜひご相談ください。

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