生マカジキ

今回の写真は、先日市場に入荷した
生の「マカジキ」です。静岡市場では非常に入荷が珍しいのでつい写真に撮ってしまいました。

よくカジキマグロと呼ばれるので、マグロ科と勘違いされますが厳密に言うと属する科目が異なります。

「マグロ」は(スズキ目 サバ科 マグロ属)本鮪や南鮪、メバチマグロやキハダマグロは全て同じマグロ属です。

「カジキ」は(スズキ目 マカジキ科)と同じスズキ目でも、サバ科ではありません。

①マカジキ科と②メカジキ科の二つに分かれます。 
①マカジキ科 
マカジキ属→マカジキ
クロカジキ属→黒皮カジキ、白皮カジキ
(クロ、シロカジキは味噌漬けやフライ等)
②メカジキ科 メカジキ属→メカジキ
(メカジキは、切り身にしてステーキで食される事が多いです)

マカジキは細長い体つきをしており、体長は長いもので4mを超すものもあります。
魚肉はオレンジがかった淡紅色で、他のマグロ類と比べるとやや筋が多いです。
味は淡泊ですが、旨味が有り脂が乗るととても美味です。
静岡地方ではなじみが薄いですが、昔から北陸方面で好まれる魚です。

最近は搬入がめっきり減りましたが、10年位前迄は、冷凍延縄漁船が漁獲し水揚げ量もかなりありました。
特に「独航船」と呼ばれる数百トンクラスの漁船が、直接清水港へ寄港して水揚げした時は、このような「雑物」と呼ばれるマグロ類以外の魚種を沢山積んできたものです。
船の漁獲明細にも載せていないことも多く、300トンの水揚げ予定のところが降ろして見たら10トンも増えたりしたこともあります。

どれも単価的にはマグロ類よりも落ちるので、船の方も取り扱いが雑だったり凍結処理も雑だったりします。
雑物でも特殊漁場物は稀に脂が乗るものもあり、それらは珍重され高値で取引されます。
近海の生のマカジキは脂が乗っていたりすると希少価値でかなりのお値段が付くこともあります。

ところ変われば、好みも変わるということでこのように日本各地で微妙に好みが異なるのがマグロの食し方なのです。