生の本マグロ

今日の写真は、先日市場に入荷した生の本マグロです。
愛媛県の宇和島産とあります。
愛媛と言えば、豊後水道を挟んで私の故郷
九州の大分のちょうど反対側にあります。
豊後水道と言えば「関サバ」「関アジ」が有名です。
大分の佐賀関側で釣れたら「関サバ」「関アジ」、
愛媛側では別の名前で販売されています。
良い漁場で有ることは間違いなさそうですね。
極洋水産さんが愛媛で養殖した本マグロということです。

極洋水産のホームページを見ますと「本鮪の極」(きわみ)とは
2009年から出荷している極洋さんの養殖マグロのオリジナルブランドだそうです。
海水温15〜28℃で本鮪の養殖に最適だとの事です。
餌にこだわり、赤身の色目が良く、程よい脂ののり、養殖臭が少ないとのこと。
配合飼料のトップメーカーですから、その強みを生かしているのですね。

大きさは、奥の二本が5~60kg台。
手前の大きいサイズの物は80kg位はあるでしょうか?
上手く写真に取れたので、よく見て頂きたいのが
尾部の下側に有る「まだら模様」です。
これは本マグロにしか有りません。
他の種類のマグロと見分ける一番の目印になります。

もう一つびっくりしたのが、さらにTUNAGU(つなぐ)という
完全養殖のブランドも手がけているということです。
本マグロの完全養殖も、いまや近大マグロだけではないんですね。
養殖している最中に、採卵・種苗して2〜3年位で40kg前後まで成長させ
出荷しているのだそうです。
台風等の被害がなければ、安定して供給出来るシステムとなっています。
もちろん色々とご苦労はおありでしょうが…。

大間で有名な近海の延縄漁とは異なりますが、
このような本マグロの養殖事業が日本近海の数多くの場所で行われています。
天然物を扱う一業者としては複雑な気持ちもありますが、
養殖物のおかげでマグロの「トロ」が一般的になったのはまぎれもない事実です。
ただ養殖物が潤沢になった分、もう希少価値では無くなりました。
あまり思う様に値段が出ないのも仕方がないと思います。