コロナ禍で増す孤独感

新型コロナ禍で深刻化している「孤独・孤立問題」。
政府は二万人を対象とした初の全国実態調査を行い、
その結果が公表されました。
孤独感が「ある」と答えた人は約4割。
高齢者より20代と30代の方が多かったそうです。
雇用形態別では「失業中」「派遣社員」が高い。
世帯年収が低い程、孤独を感じる傾向がある。
「しばしば・常に孤独を感じる」人のうち、
行政やNPOからの支援を受けていないのは83.7%。
サポートが十分に届いていないのが現状との事です。
全体の約7割の人が
「直接人と会うコミュニケーションが減った」と回答。
同居以外の家族や友人と会って話す機会は
「月1回未満」が15.2%で最も多く、
「全くない」も11.2%有ったそうです。

人を媒介として感染が広がるのがウイルスですので、
直接的な接触頻度を減らすというのが、
この約二年間の国の基本的な政策でした。
その政策に負の側面が有る事を分かっているからこそ、
政府はこのようなアンケートを行ったのだと推測します。

コロナ禍で悪い影響を全く受けていない人は
殆どいないと、私は思います。
逆に、焼け太りのごとく特需に沸いた業界もあるでしょう。
しかし概ねほぼ全員が、程度の差こそあれ
やはり不自由な思いをしたはずです。
ただその度合いについては、
各人の置かれている立場や職種、年齢などで
かなり大きな差が生じていると想像します。

例えば営業自粛を繰り返し要請された「飲食店業界」。
コロナ不況で求人が減った就職難の「学生」。
講義や通学もままならず、友人ともなかなか会えない
「新入学生」。
雇止めをいきなり通告された「派遣社員」。
特に飲食業に携わる方々は、様々な補助金はあるにせよ
一時的に休業を余儀なくされ、当然収入減でしょう。
(弊社のような、関連する納品業者には何の補助もありません。)

そんな混沌とした現状にもかかわらず、
ここのところの日本の政治の迷走ぶりは
目に余るものがあります。
先日話題となった「年金受給者に月五千円給付」との案。
年金を納めている層のみならず、受給者からも
批判が続出。一転取り下げたという典型的な一例です。
こんな「孤独・孤立問題」のアンケートを
経費を掛けて大々的にやる位です。
どの層が一番痛手を被っているのか、
政府はよく分かっているはずです。
その層に向かって、ピンポイントで
手厚く補助をしていくべきです。

https://kaiseisuisan.shop-pro.jp